とある内科ドクターの逸話。

「医者」とよくひとくくりにいいますが、実にさまざまな方々がおられます。診療科目もさまざま、ドクター一人一人の個性も、さまざまです。ふと、今は地元で医院を開業されていますが、その前は総合病院の内分泌内科に勤務されていたDr(かりに、A先生としましょう)を思い出しました。内分泌内科とは、甲状腺や副腎皮質、といったホルモンをつくる臓器の病気及びホルモンの作用の異常をきたす疾患を専門とする内科です。このため、極めて幅広い範囲の病気があるのです。有名なところでは、糖尿病やバセドウ病、あるいは骨粗しょう症などが、これらに含まれます。このため、内分泌内科を受診される患者さんというのは、老若男女問わず、さまざまな方がおられます。

ところで、その内分泌内科のA先生ですが、とても物腰のやわらかい、マイペースな先生でした。釣り好きな職員が採れたての魚を持って来た時、嬉しそうに自宅に持って帰られ、翌日その職員から「A先生、魚、いかがでしたか?」と聞かれると、にっこり微笑みながら、「ハイ、妻が刺身にしてくれました。ほどよく死後強直がきていて、美味しくいただきました。」と平然と答えられ、周囲にいた全員をちょっと驚かせたこともあります。

そんなA先生は、常に同じ調子で、誰に対してもゆるやかに、淡々と、診察を行っておられました。たとえ患者さんがどんなことを言っても、いつも同じ調子で対応されるその姿は、一見の価値がありました。あるとき、80過ぎの男性が、『糖尿病を20年近く放置して、ものが見えづらくなった挙句、バイクで事故を起こしたため家族が無理やり』病院に連れて来られた時も、患者さんを叱ることもなく、このような会話が展開されました。

Dr「20年前ですか。随分長い事、ほっておかれましたね。」

患「病院は嫌いです。」

Dr「わたしもですよ(にっこり)」

患「でも、そんなに悪いですか。」

Dr「そうですね、眼も悪いようですけど、腎臓もだいぶ悪くなっていますね。」

患「腎臓?腎臓って、あの、階段上ったらどきどきする、あれですか?」

Dr「それは心臓ですね。(にっこり)」

こんな調子で、診察が進んでゆきました。「心臓ですね、」と、全く動じることなく言い放たれたお姿は、本当に仏様のようでもありました。強制的に、このおじいちゃんを連れて来たご家族は、ほんとうは長年放置していたことを、医師に叱ってほしかったご様子でしたが、すっかり戦意喪失され、ご本人を交えて、今後の相談を始められました。まさに、お人柄だな、と感じます。

あくまでもたとえ話ですが、「医師を選ぶとき、”見立ては最高だけど性格が最悪な医師”と、”見立てはいまいちだけど、とても人情味があって優しい医師”なら、どちらに主治医になってほしいですか。」という究極の選択を迫られたら、自分なら、後者でもいいかな、と思っています。ですが、出来ることなら、世の中の医師がみんな、見立ても性格も最高になれば、言うこと無いですね。(誤解のないように付け加えますが、A先生は、当然見立ても素晴らしいDrです。)

ちなみにA先生の医院は、開業されてかなりの年数が経ちますが、今も盛況です。

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太陽の丘クリニック

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